エアコンセンターACの業務用エアコンコラム
業務用エアコン 埋め込み形の魅力
「エアコンは設置したいけど、室内のスタイリッシュな見た目も保ちたい」、「吹き出し口の場所をもっと自由に、建物の形に合わせて決めたい」。ご自身の理想通りの空間を作りだす為には、機能だけではなく見た目も重視したいですよね。
天井埋込形のエアコンはそんなお客様の希望にお応えする、設計自由度の高い商品です。今回は、インテリア性を保ったまま快適な空間を作りだす、天井埋込形エアコンの魅力をお伝えします。
1.天井埋込形エアコンの特徴
共通する特徴
天井埋込形エアコンは、その名の通り、室内機本体が天井内に埋め込まれる仕様に作られたエアコンです。室内側から見えるのは、吹出口、吸込口、点検パネルのみで、本体は天井内に隠すことができます。そのため室内機が露出する他機種に比べスタイリッシュでシンプルな見た目になります。今回はそんな天井埋込形エアコンの中から、ビルトインタイプとダクトタイプをご紹介いたします。
天井埋込形 ビルトインタイプ
まずはビルトインタイプです。ビルトインとは「内蔵の」という意味で、室内機が天井内に内蔵されていることを指しています。
室内機本体の前方に吹出口があり、下部に吸込口がある構造になっていて、ダクトやチャンバーという部材を使用して、吹出口の設置場所を自由度高く設定することができます。
ダクトとは、空気を通すための蛇腹状の長い筒のような部材です。天井埋込形エアコンは、ダクトを使うことで室内機本体から離れた場所へ送風し空調を整えることができます。一方で、吸込口は本体下に固定されているので、吸込口の場所を動かすことができません。そのため、本体が設置されている天井内の空気を吸うか、もしくは吸込パネルを設置して本体機器の真下にある室内の空気を吸うことになります。


天井埋込形 ダクトタイプ
次にダクトタイプです。ビルトインタイプと同じく本体機器は天井内に内蔵されています。また、吹出口の設置場所を自由に変えることができるという点も同じです。ビルトインタイプとの違いは、主に吸い込み口の場所です。本体前方に吹出口があるのは同じですが、ダクトタイプは室内機本体後方に吸込口があります。
ビルトインタイプでは吸込口が本体下部に固定されていましたが、ダクトタイプでは本体後方にダクトなどの部材を接続して、吸込口の場所も自由に変えることができます。スリットと呼ばれるすっきりとした見た目の部材を吸込口と吹出口に設置すれば、本体がどこに設置してあるのか、室内からは完全に分からない状態にして、非常にシンプルな見た目に仕上げることができます。
そのため、ビルトインタイプと比較すると、ダクトタイプはさらに設置自由度があり、部屋の雰囲気を崩さずに設置出来るエアコンと言えるのです。


2.ビルトインタイプ・ダクトタイプとその他の機種を比較
他機種と比較した際の特徴
天井埋込形エアコンは、前述の通り、本体機器が室内から見えないこと、そして、吹出口、吸込口の自由度が高いことが特徴です。
では、ほかの業務用エアコンではスタイリッシュな見た目を叶えることはできないのでしょうか。

初めに、壁掛形エアコン、天井吊形エアコン、床置形エアコンと比較してみましょう。壁掛形及び天吊形、床置形エアコンは、室内機本体が室内側から目で確認できることが特徴です。業務用エアコンは幅や高さが1メートルを超えてしまうこともあるため、どうしても存在感や圧迫感を消すことはできません。
天井吊形の場合、白色ではなく黒色の室内機を取り扱っているメーカーもあるため、黒い天井の場合は存在感を薄めることができるかもしれません。

次に、天井カセット形エアコン、通称天カセ形と比較してみましょう。ビルトインタイプ・ダクトタイプと同様に天カセ形も室内機本体を天井に埋め込むことが可能で、室内側から見えるのは天井に設置されたパネル部分のみです。
当社コラム「天カセ形の魅力」(リンク)でもお話した通り、天カセ形には吹出口が1方向、2方向、4方向の種類があり、それぞれ正方形・長方形形のパネルのみが天井から露出しています。特に4方向形は吹出口が4つに分かれている為、柔らかな風が人気の形状です。
しかし、天カセ形は、吹出口と吸込口が室内機本体に組み込まれています。空調を効かせたい部屋の天井に必ず室内機とパネルを設置しなければなりません。パネルの大きさは室内機のタイプに寄りますが、天カセ4方向形エアコンですと、950×950mmと比較的大きめのパネルが主流です。インテリア性を保ったままエアコンを設置したいのであれば、やはり埋込形ビルトインタイプか、埋込形ダクトタイプがおすすめと言えるでしょう。
3.天井埋込形 ビルトインタイプ・ダクトタイプの設置方法
設置工事の内容

まずはじめに、吸込口と吹出口の場所を設定します。お施主様と打合せを行いながら、吸込口・吹出口と室内機をつなぐダクトなどの部材の経路と、室内機・室外機の設置場所を決めていきます。室内機と吹出口・吸込口の距離が伸びれば伸びるほど、長いダクトを使用することになります。
本体から吹出口までの距離が長かったり、曲がりが多いとダクト内での大きな圧力損失(気体の持つエネルギーが失われること)が起きてしまい、風量が弱まります。そのため、出来るだけダクトをまっすぐに短く設置する必要があります。
場所が決まったら、ボルトや支柱を使って天井内に室内機本体を固定します。室内機はすっぽりと天井内部に埋まってしまうため、通常は機器本体の真下に点検口を設置いたします。故障や入替が必要になった際は、この点検口を開けて作業を行います。フィルターのメンテナンス等もこの点検口から行います。
また、吹出口、吸込口の露出部分にはグリルと呼ばれる格子状のパネルを設置します。ビルトインタイプの場合は、室内機下部に吸込口があるため、室内機真下の天井ボードに本体機器のサイズに合わせた吸込パネルを設置します。一方で、ダクトタイプの場合は吹出口・吸込口の大きさが本体機器のサイズに左右されないので、比較的コンパクトな見た目にすることも可能です。室内機、室外機、吹出口、吸込口のそれぞれの設置が終われば、試運転を行って工事完了となります。
工事のタイミング

ダクトタイプは本体がすっぽりと天井内におさまるように設置するため、新築時・改装時の内装工事と合わせて設置工事を行うことが多いです。すでに天井が張られた状態でダクトタイプを新設・増設することも可能ですが、天井の内装工事が必要になるので注意が必要です。
ビルトインタイプも同様に新築時・改築時の設置が多いです。ダクトタイプとは異なり、すでに天井が張られた状態でも内装工事なしで設置が可能です。その場合は、吊り込みを行う場所にエアコン本体が通過できる程度の天井開口をする必要があります。開口部はフルパネルという部材で塞がれるため、内装工事なしでキレイに設置することが可能です。
見た目の仕上がり
ビルトインタイプ・ダクトタイプの工事においては、内装工事のタイミングや、天井内の状態によって取付後の見た目の仕上がりが異なってきます。自由度が高いからこそ、事前のご相談や現地での入念な打合せが希望通りの仕上がりを叶えるために必要です。ご検討中のお客さまは現地調査をぜひご依頼ください。
4.天井埋込形 ビルトインタイプ・ダクトタイプが採用される空間事例
室内の雰囲気を保ちたい空間におススメ

天井埋込形エアコンは、和室やショールームなどの雰囲気を重視したい場所や、インテリア性の高い場所におススメです。室内機の設置場所と吹出口、吸込口を別にすることができるため、雰囲気を保ったまま空調を効かせたい部屋とは別に、室内機本体及び大きな点検口の場所を設定することができます。
吹出口には小さなグリルパネルのみが設置されるため、部屋の雰囲気を損なわずに空調管理をすることが可能です。これから新規で天井埋込形エアコンの導入を検討されている方、入れ替えを気に別機種から天井埋込形エアコンに変更されたい方に向けて、費用面も合わせてベストプランをご提案しています。お悩みの方はお気軽にエアコンセンターACへ お問合せください。
カテゴリー:エアコン商品紹介
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