エアコンセンターACの業務用エアコンコラム
エアコン2027年問題について業務用エアコンのプロが解説
エアコン2027年問題をご存じですか?身の回りでも起こる可能性のあるこの問題について、業務用エアコンのプロが解説します。
1. 2027年問題とは?
2027年問題とは、経済産業省が定める家庭用エアコンの省エネ基準が2027年度から大幅に引き上げられる影響で、低価格の基準未達成のエアコンが市場から消え、エアコンの価格が上がる問題です。
1-1. 新たな省エネ基準
省エネ法に基づき、2027年度に家庭用エアコンを中心に新たな省エネ基準が適用されます。これにより、目標基準値が大幅に引き上げられ、新しい基準をクリアできない安価な機種などは、実質的に市場から消えることとなります。
1-2. 対象製品
2027年度は、家庭用の壁掛形エアコンが対象になります。
2029年度には、壁掛形以外やマルチタイプも対象になります。
1-3. 値上がりする理由
基準を満たせない製品が販売されなくなる理由は、メーカー全体に課せられる規制の仕組みにあります。
メーカーは1年間で出荷するエアコンの加重平均値で、国の定めた省エネ基準を達成しなければならないというルールがあります。
このため、基準未達の製品を出荷すると、その分高効率な製品を大量に出荷して省エネ基準値の平均値を押し上げる必要があり、メーカーのリスクが増えることになります。
よって、必然的に基準未達成の製品は販売を停止し、基準を満たした高価格のエアコンが市場に残るため、実質的な値上がりとなります。
2.省エネ基準と省エネエアコン
省エネ基準を達成する必要があると解説してきましたが、これは通年エネルギー消費効率、通称APFという基準になります。では、APFとは一体どういったものなのか見ていきましょう。
2-1. APFとは
省エネ基準の達成度を測る重要な指標です。機器が一年間に消費する総エネルギー量(電力量)に対し、どれだけの冷暖房能力を発揮したかを示します。
APF = 1年間に必要な冷暖房能力の合計 ÷ 1年間に消費する電力量の合計
このAPFの数値が高いほど、少ない電力で効率良く運転できる、つまり省エネ性能が高いことを意味します。2027年問題の新しい省エネ基準では、このAPFの目標値が厳しく設定されています。次の表は壁掛型の新旧APFの基準を比較したものです。
| 冷房能力 | 参考馬力 | 現行の基準 | 新しい基準 | 改善率 |
|---|---|---|---|---|
| 2.2kW | 0.8馬力 | 5.8 | 6.6 | 13.8% |
| 2.5kW | 0.9馬力 | 5.8 | 6.6 | 13.8% |
| 2.8kW | 1馬力 | 5.8 | 6.6 | 13.8% |
| 3.2kW | 1.2馬力 | 5.8 | 6.6 | 13.8% |
| 4.0kW | 1.5馬力 | 4.9 | 6.6 | 34.7% |
| 4.5kW | 1.6馬力 | 5.5 | 6.5 | 18.2% |
| 5.0kW | 1.8馬力 | 5.5 | 6.4 | 16.4% |
| 5.6kW | 2.0馬力 | 5.0 | 6.3 | 26.0% |
| 6.3kW | 2.3馬力 | 5.0 | 6.1 | 22.0% |
| 7.1kW | 2.5馬力 | 4.5 | 5.9 | 31.1% |
| 8.0kW | 3.0馬力 | 4.5 | 5.7 | 26.7% |
| 9.0kW | 3.2馬力 | 4.5 | 5.5 | 22.2% |
| 10.0kW | 4.0馬力 | 4.5 | 5.3. | 17.8% |
2-2. 省エネエアコンのメリット
価格が高くなってしまう省エネエアコンではありますが、省エネ性能が高いため、電気代が安くなる場合がほとんどです。標準タイプと省エネタイプのコストについて見てみましょう。
| タイプ | 本体価格 | 年間電気代 |
|---|---|---|
| 省エネタイプ | 約31万円~ | ¥204,072 |
| 標準タイプ | 約26万円~ | ¥237,468 |
機器は省エネタイプが約5万円ほど高いものの、電気代は年間で約3.3万円も安く、2年で投資回収が可能です。その後は年間、約3.3万円の電気代削減となり、トータルではかなりのコスト削減に繋がります。
標準タイプと省エネタイプの本体価格や電気代を比較した記事がございますので、こちらもご確認ください。
業務用エアコンの省エネタイプについて、価格や電気代を業務用エアコンのプロが徹底解説
3.業務用エアコンへの影響
3-1. 冷媒の規制
2027年問題と並行して、業務用エアコンには冷媒に関する規制も進行しています。地球温暖化係数(GWP)が高い冷媒の使用を段階的に削減する「フロン排出抑制法」です。
現在は地球温暖化係数の低いR32冷媒を採用したエアコンが主流ですが、将来的にはさらに地球温暖化係数の低い次世代冷媒への移行が予測されます。この冷媒変更に伴う技術的な制約も、機器の高騰化の一因となります。
3-2. 高騰化
前述の通り、省エネ基準達成のための高APF化、そして冷媒規制への対応は、いずれもメーカーにとって技術開発費用や製造コストの増加となり、製造コストが増える恐れがあります。
その結果、高性能な製品のみが市場に残るため、将来的に業務用エアコンの本体価格が高騰化する可能性があります。故障してからの更新をお考えの場合、時期によっては機器が高額になっている可能性があります。
3-3. 計画的更新の重要性
この高騰化と販売停止のリスクを避けるためには、省エネエアコンへの計画的な設備更新がおすすめです。今後、基準を達成していない製品が、市場から消える可能性が考えられます。長くお使いのエアコンがある場合には、コストが抑えられる可能性だけでなく、営業停止やトラブルを防ぐことも期待できる「計画的な更新」をご検討ください。
4.まとめ
2027年問題により、安価なエアコンが市場から消えてしまう可能性があります。しかし、より省エネ性能の高いエアコンになることで、電気代の削減に加え、Co2排出量を削減、地球環境を守ることにつながります。
今現在、永くお使いであったり調子の悪いエアコンがある場合には、今のうちから計画的な更新を検討してみるのもよいかもしれません。
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