エアコンセンターACの業務用エアコンコラム
業務用エアコンの「単相・三相」について解説!
エアコン工事を見積もる際に必ず登場する、「単相・三相」という言葉。聞きなれない、一体何なの?と感じる方もいらっしゃるかと思います。実はこの言葉、エアコンを動かす電気に関する用語です。今回はエアコン工事と切っても切り離せない、電気にまつわる用語について解説致します。
1.単相/三相とは
「単相と三相」は電気の送り方のこと
単相・三相とは、簡単に言うと電気の送り方の種類を指します。単相は家庭用の小規模な電気製品を動かすための電気の送り方、三相は産業用の大型電気製品を動かすための電気の送り方です。単相に比べ三相の方が一定時間に多くの電力を送ることが出来るため、電力量を必要とする機械は、三相に対応しています。さらに単相は送り出す電気のパワーでも種類が分かれ、単相100Vと単相200Vの2種類があります。
単相100V | パワーの小さい家電 例)炊飯器 · テレビなど |
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単相200V | パワーの大きい家電 例)食洗器 · IHコンロなど |
三相200V | 産業用電化製品 例)業務用エアコンやエレベーターなど |
電灯契約と動力契約は電力会社との契約方式
電力会社と結ぶ電力契約は、低圧プラン・高圧プラン・特別高圧プランの大きく3種類があります。一般家庭や商店、事業所ビル向け低圧プランの中にさらに電灯契約と動力契約に分かれており、単相対応の電気製品は電灯契約、三相対応の電気製品は動力契約を結ぶことで使用可能になります。
電灯契約 | 単相対応の電気製品 |
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動力契約 | 三相対応の電気製品 |
一般家庭では電灯契約のみを結んでいる場合がほとんどで、動力契約は結ばないケースが多いです。
単相・三相の違いが分かったところで、どういったエアコンがそれぞれに対応しているのか確認しましょう。
2.どのような種類のエアコンが単相/三相になるの?
家庭用エアコン
ルームエアコンやハウジングエアコンは【単相100V】または【単相200V】です。部屋の広さに対応して、小さいものだと6畳用、大きいものだと29畳用などのエアコンがあります。能力によって【単相100V】または【単相200V】に対応しています。
能力の小さい業務用エアコン
1.5馬力〜3馬力の業務用エアコンは【単相200V】もしくは【三相200V】です。能力の小さいエアコンは単相200Vでも稼働できるため、電灯契約のみを締結している場合でも使用可能です。同じ馬力なのであれば、単相対応機器と三相対応機器で能力に変わりはありませんので、ご自身の契約状況で選ぶのも良いかと思います。
しかし、単相の業務用エアコンを新設する場合は、現在契約している電力容量(アンペア)への注意が必要です。現在使用している電気製品の合計アンペア数が、契約アンペアを最大に近い容量で使用しているのであれば、使用できる電気の契約量を変更する必要が出てきます。契約量を超えた電気を使用すると、ブレーカーが突然落ちるなどのトラブルが発生します。
▼40Aの電灯契約を結んでいるカフェの例(※エアコン新設を検討中)
照明 | 6A |
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冷蔵庫 | 3.3A |
電子レンジ | 14.3A |
その他 | 14.4A |
合計使用アンペア数 | 38A |
残りの使用可能アンペア数 | 2A |
※残りのアンペア数が2Aのため、電力を大量に使うエアコン起動時にブレーカーが落ちてしまう可能性が高い。
また、新設するエアコンの電力使用料が多い場合、新たに動力契約を結び、三相対応のエアコンを導入するのも1つの手です。
電灯契約よりも動力契約の方が使用する電気に対する従量料金が安いため、ランニングコストを抑えられる可能性があります。
能力の大きい業務用エアコン
4馬力以上の業務用エアコンは【三相200V】です。3馬力までとは違い、単相対応の機器は無く、三相200Vのみとなります。電灯契約のみを結んでいる場合は、能力の大きい業務用エアコンを設置することはできません。そのため、4馬力以上のエアコンを設置するためには、動力契約が必要となります。
それぞれのエアコンと、対応する電気契約について解説しました。エアコン本体を購入する際は、本体の単相/三相のタイプと、ご自身の電気契約を必ずご確認の上、ご検討いただくことをお勧めします。
3.まとめ
今回は、単相/三相とは何かについてのコラムでした。
エアコン本体を購入する際は、本体の単相/三相のタイプと、ご自身の電気契約を必ずご確認頂いた上でお買い求めください。
ご不明点のお問合せや実際の調査依頼・見積依頼は、お気軽にエアコンセンターACへ お問合せください。
カテゴリー:エアコン商品紹介
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