エアコンセンターACの業務用エアコンコラム
省エネエアコンで実現するCO2削減とコスト削減について解説
厳しい暑さが続く中、私たちにとって空調は不可欠な設備です。しかし、その電気代はコストを圧迫し、電力消費に伴うCO2排出は「脱炭素経営」を進める上での大きな課題となっています。
1. 地球温暖化と空調
毎年最高気温を更新するような暑さが続く中、空調は快適な環境をつくるだけでなく、熱中症などから命を守るためになくてはならない設備であります。しかし、この温暖化の原因ともいわれている温室効果ガスは、電気を生み出す際に大量に発生します。つまり、涼しくするために電気を使うと、さらに温室効果ガスが発生し、地球温暖化が進む悪循環となってしまいます。
この地球規模の課題に対し、企業にはCO2排出量削減など、脱炭素経営が求められるようになりました。
企業が排出するCO2の大部分は電力消費によるもので、その電力消費で特に大きい割合を占めるのが「空調」です。では、私たちは普段、どのくらいの電力を空調に使用しているのでしょうか。
1-1. 業務用エアコンの消費電力
資源エネルギー庁の調査によれば、オフィスビルにおける用途別電力消費比率は、空調が全体の48.6%を占めるというデータもあります。他にも、あらゆる事業体で次のような使用率となっており、空調がどれだけ電気を消費しているかが分かります。
飲食店 | オフィスビル | 卸・小売店 | 食品スーパー | 医療機関 | ホテル・旅館 | 学校 |
---|---|---|---|---|---|---|
50.5% | 48.6% | 26.2% | 24.3% | 34.7% | 29.2% | 37.0% |
出典:経済産業省 資源エネルギー庁 令和5年6月 「夏季の省エネ・節電メニュー」
電気は発電所で作られ、特に火力発電では、液化天然ガス・石炭・石油などを燃焼する過程でCO2が発生しています。つまり、電力消費量が多くなると、 CO2排出量も多いということになります。
1-2. 省エネ業務用エアコン
空調使用でのCO2排出量を削減するには、省エネエアコンへの更新や省エネ運用が望まれます。
では、そもそも省エネとは何なのでしょうか。
省エネとは、「省エネルギー」の略で、エネルギーを効率よく使うことをいいます。エアコンの省エネ性能を簡単に見分けるには、指標である「APF(通年エネルギー消費効率)」を使います。
これは数値が大きいほど、少ない電力で効率よく空調でき、省エネ性能が高いということになります。
2. 省エネエアコンの違い
高いAPFを実現している省エネエアコンは、標準エアコンと何が違うのでしょうか。
その違いは、主に3つあります。
2-1.制御方法の違い
現在はほとんどが「インバーター」を搭載していますが、省エネエアコンはそのパワー調整がよりきめ細やかです。状況に応じて出力を滑らかに変化させ、わずかな電力の無駄も徹底的に省くことができます。
2-2.内部部品の違い
省エネエアコンには、より高性能な部品が採用されています。電力消費の大きい心臓部のコンプレッサーや、熱交換器の効率が高く、同じ電力でより大きな冷暖房効果を生み出します。
2-3.省エネ機能
省エネエアコンには、運転を最適化する人感・温度センサーや、AI制御が搭載されていることがあります。
省エネエアコンは初期費用が高くなりますが、月々のコストが低い分、トータルでコスト削減となります。
また、省エネに関する国の基準は年々厳しくなっており、10年以上前に製造された古いエアコンは、現在の標準的なエアコンと比較しても、さらにエネルギー効率が低いモデルであると言えます。
3. Co2削減とコスト削減
では、エアコンを入れ替えることで、具体的にどれくらいの効果があるのか、シミュレーションを見てみましょう。
3-1.入れ替えによるランニングコスト削減
5馬力モデル | 冷房消費電力 | 暖房消費電力 | 電気代 |
---|---|---|---|
2007年標準モデル | 3.89kWh | 3.24kWh | ¥263,538 |
2015年標準モデル | 3.49kWh | 3.3kWh | ¥247,856 |
2025年省エネモデル | 3.19kWh | 3.19kWh | ¥231,594 |
2007年の標準モデルから2025年の省エネモデルに更新した場合、年間の電気代は約32,000円安くなります。2015年の標準モデルから2025年の省エネモデルに更新した場合でも、年間約16,300円の電気代節約となります。特に古いモデルは、新しいエアコンへ更新することで、大幅な電気代の節約となります。
単純に10台設置されている場合、2015年の標準モデルと2025年省エネモデルでの年間電気代の差は、約162,000円となります。
※試算条件
DAIKIN ラウンドフロー 5馬力
標準モデル 2007年 ニュースカイエア
省エネモデル 2015年 2025年 FIVE STAR ZEAS
冷房年間6カ月 月22日間 毎日11時間使用 暖房年間4カ月 月22日間 毎日11時間使用
1kWhあたり、30円にて計算
3-2.CO2削減
消費電力量が低くなることで、発生するCO2の量も削減されます。
先ほどと同じ条件で、CO2 排出係数を0.421 kg-CO2/kWhとした場合は下記のようになります。
2007年 標準モデル | 2019年 標準モデル | 2025年 省エネモデル |
---|---|---|
3,698 kg | 3,478 kg | 3,250 kg |
2007年標準モデルから2025年省エネモデルへ更新した場合、年間448kgのCo2削減が可能となります。消費電力の大部分を空調が占める場合には、省エネエアコンへの入れ替えがCo2排出量削減に大きく寄与することとなります。
※2024年度東京電力CO2 排出係数0.421 kg-CO2/kWhとして計算
4. まとめ
ここまで、省エネによるCO2削減とコスト削減について解説しました。
古い業務用エアコンを使い続けることは、環境に負荷をかけ続けるだけでなく、高いコストをかけて運用していることになります。
また、省エネエアコンに更新することは、単なる電気代の節約になるだけでなく、脱炭素経営として企業の社会的責任を果たし、地球の未来に貢献することにつながります。
省エネ業務用エアコンへの入れ替えをご検討の際は、ぜひお気軽にエアコンセンターACへ お問合せください。
カテゴリー:業務用エアコンについて