業務用エアコンの電気代計算
オフィスや店舗などに設置する業務用エアコンは、事業運営において欠かせない存在です。
一方で、毎月の電気料金の負担が大きいという課題も抱えています。
そこで本記事では、業務用エアコンの電気代について、具体的な計算方法や節約術を詳しく解説します。
電気料金の構造を理解し、適切な対策を行うことでコスト削減に繋がります。
目次
電気代計算シミュレーション
業務用エアコンの電気代は、機種や使用状況によって大きく異なります。
まずは実際に、電気代を概算で計算するためのシミュレーションツールを使ってみましょう
シミュレーションツールの使い方
ツールの使い方は簡単です。
機器の「定格消費電力」と建物の「1kWhあたりの電気料金」を調べて、ツールに入力すれば完了です。
定格消費電力とは、簡単に言うと機器を1時間最大負荷で運転した時の電力消費量のことを言います。
定格消費電力と、1kWhあたりの電気料金、使用時間を計算式に当てはめることで、電気代を計算することが出来ます。
定格消費電力は、冷房と暖房で数値が異なりますので、確認したい運転方法に合わせて、冷暖房いずれかの数値を入力して下さい。
「定格消費電力」と「1kWhあたりの電気料金」2つの数値の調べ方は下記の通りです。
電気代計算に必要な数値の調べ方
定格消費電力
計算したい機器の説明書、または掲載カタログを準備します。
おおよそのカタログでは、後半の方に機器仕様が掲載されているページがあるため、そちらを参照してください。
対象機器の型番を調べると、消費電力(kW)という項目があります。ここに記載されている数値が、冷暖房時それぞれの定格消費電力です。
各社のカタログは、【業務用エアコンのカタログ請求先一覧】からご確認ください。
1kWhあたりの電気料金
エアコン設置予定場所の電気料金明細書をご用意ください。「電力会社」と「契約方法」が分かれば1kWhあたりの電気料金を調べることが出来ます。
例えば、東京電力で低圧電力(三相電源)を契約している場合を考えます。東京電力のホームページを参照すると、2024年夏季の料金単価は27.14円であることが分かります。
電力会社によっては、電気の使用量ごと、季節ごとに単価が変わる場合がありますので、詳細はご契約の電力会社のホームページをご覧ください。
また、新築の建物などで明細書が手に入れられない場合は、平均値を参考にしましょう。
あくまで参考程度の数値になりますが、三相電源の場合は約20円/1kWh、単相電源の場合は約30円/1kWhを想定することが出来ます。
業務用エアコンの電気代の目安
それでは実際に、シミュレーションツールを使ってどのような結果が得られるか見ていきたいと思います。
ここでは例として、天井吊形4馬力の冷房時の定格消費電力を2.70kW、1kWhあたりの電気料金が27.14円として計算してみます。
1時間ごとの電気代の目安
1時間あたりの電気代は、以下の式で計算しています。
定格消費電力(kW)×電力量料金(円/kWh)=1時間あたりの電気代(円)
例えば、2.70kWのエアコンを1時間運転した場合、1kWhあたりの電気料金が27.14円であれば、2.07kW×27.14円/kWh=56.18円となります。
1ヶ月ごとの電気代の目安
1ヶ月あたりの電気代は、以下の式で計算しています。
定格消費電力(kW)×電力量料金(円/kWh)×24時間×30日=電気代(円)
1日の運転時間を24時間とし、30日間使用した場合を想定し算出しています。
例えば、2.07kWのエアコンを1日24時間、30日連続で運転した場合、1kWhあたりの電気料金が27.14円であれば、2.07kW×27.14円/kWh×24時間×30日=40,450円となります。
1日10時間、20営業日使用した場合の電気代
上記の計算式を使えば、実態に近い電気代を手計算することも出来ます。
8月の営業日を20日間とし、1日10時間、定格消費電力が2.07kWhのエアコンを使用したと想定します。
1kWhあたりの電気料金が27.14円であれば、2.07kW×27.14円/kWh×10時間×20日=11,256円となります。
つまり、業務用エアコンに関する8月の電気料金は11,256円と想定することが出来ます。
上記は夏の時期の想定ですが、春の場合、冬の場合…、と細かく計算していくことで、より実態に近い電気料金をシミュレーションすることができます。
業務用エアコンの節電方法
業務用エアコンの電気料金について把握することが出来ましたでしょうか。まずはシミュレーションツールを使っておおよその金額を意識することが重要です。
それでは、具体的な電気代の節約方法を実践していきましょう。ひとつひとつは小さなことですが、地道に続けていくことで大きな効果があります。
節電に繋がるエアコンの使い方と選び方、二つの視点からご紹介します。
電気代が節約できる業務用エアコンの使い方
業務用エアコンを使用する際は、次の4点について特に意識しましょう。
より詳しく知りたい方は、【業務用エアコンの節電について】をご確認ください。
1時間以上の不在時は電源OFF
昼休憩で1時間誰も部屋にいない…。という場合はエアコンのスイッチをオフにしましょう。 毎日1時間、無駄な運転を減らすことが出来れば年間で数千~数万円の節約になります。
30分以内の不在時はあえてつけっぱなし
日中に10~30分程度外出する場合は、あえてつけっぱなしにすることをおすすめします。 外気温が高い時には、起動に大きな電力が必要になります。短い時間であれば消さずに付けておいた方が消費電力を抑えることができます。 一方で、夏季でも夜は気温が下がり起動時の負荷が小さくなるため、こまめに消す方が効果的です。
±1度の温度設定
冷房の温度を1℃上げたり、暖房の温度を1℃低くすると、約10%消費電力が削減できるとされています。 例えば、暖房が28℃に設定されている場合は、温度を27度に下げて上着を羽織るなどの工夫がおすすめです。
フィルターの清掃
フィルターが汚れているとエアコンの効きが悪くなり、設定温度に達するまでに時間がかかります。 1年間掃除をしないと、電力を約25%無駄にしてしまうと言われています。 メンテナンスをせずに1か月1万円の電気代がかかっている場合、毎月2500円が無駄になっていることになります。
節電能力の高い業務用エアコンの選び方
次に、入れ替えの際、どのような機器を購入すれば電力消費を抑えられるか考えていきましょう。
各メーカーには、一般モデルと上位モデルが存在します。上位モデルは省エネの能力が高く、電力消費が抑えられます。
ダイキンで言えば、標準モデルのEco-ZEASシリーズ、上位モデルのFIVE STAR ZEASシリーズなどのラインナップがございます。
他メーカーについては、【業務用エアコンを「メーカー」から選ぶ】をご参照ください。
ただし、標準モデルは上位モデルよりも本体機器の価格が安い傾向にあるため、導入コストを抑えることが出来ます。
馬力や設置環境によっても状況が異なりますので、購入時にはどちらのモデルがよいか販売店に相談することをおすすめします。
もちろん、エアコンセンターACではお客様のどんな疑問にも、担当者が丁寧に回答させていただきます。
ご検討の際は、エアコンセンターACにぜひお問合せください。
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