エアコンセンターACの業務用エアコンコラム
ODP(オゾン層破壊係数)とは?業務用エアコンのプロが解説
業務用エアコンの資料やカタログを見ていると、「ODP」という単語が並んでいることがあります。この記事では、ODPの意味とGWPとの違い、業務用エアコンで使われてきた冷媒の変遷、そして今の設備管理でどこを見ればよいのかを解説します。
1.ODP(オゾン層破壊係数)とは
ODP(Ozone Depletion Potential/オゾン層破壊係数)とは、ある物質がオゾン層を破壊する強さを示す指標です。数値が大きいほど破壊力が強く、小さいほど弱くなります。
オゾン層は、太陽から放出される紫外線を吸収する層です。オゾン層が薄くなると、地上に届く紫外線が増え人の健康や生態系に影響が及ぶと考えられています。業務用エアコンにも使用されているフロンガスの一部にも破壊作用があることが分かり、国際的な規制が進んだという経緯があります。
1-1.基準はCFC-11の「1.0」
ODPは、過去に広く使用されていた「CFC-11(トリクロロフルオロメタン)」という化学物質を基準にして設定されています。CFC-11のオゾン層破壊の強さを1.0と置き、他の物質がその何倍・何分の一にあたるかで表します。
つまりODPは絶対量ではなく、CFC-11を物差しにした「相対値」です。業務用エアコンで使用されている主な化学物質で考えると、CFCやHCFCは、成層圏で分解された際に放出される塩素原子などがオゾン層破壊の原因となります。R410AやR32などのHFCは塩素を含まないため、ODPはゼロです。
1-2.GWP(地球温暖化係数)との違い
ODPと並んでよく登場するのがGWP(Global Warming Potential/地球温暖化係数)です。似た形の指標ですが、見ている環境問題が違います。
| 指標 | 何を測るか | 基準物質 | 業務用エアコンでの現状 |
|---|---|---|---|
| ODP(オゾン層破壊係数) | オゾン層を壊す強さ | CFC-11=1.0 | 現行機ではODP=0の冷媒が中心 |
| GWP(地球温暖化係数) | 温室効果の強さ | CO2=1 | 数百〜数千と幅があり、削減が課題 |
オゾン層破壊については規制が進み、現在国内で販売されている業務用エアコンの冷媒はODPがゼロのものが中心です。一方で温暖化への影響を示すGWPは今も大きなテーマで、近年の低GWP冷媒への切り替えはこちらが理由になっています。
2.業務用エアコンの冷媒とODPの関係
業務用エアコンの冷媒は、ODPの規制を受けながら段階的に置き換わってきました。自社の機器がどの世代にあたるかで、点検や修理のしやすさも変わってきます。
2-1.CFC・HCFC・HFCという移り変わり
業務用エアコンで使われてきたフロン系冷媒は、大きくCFC、HCFC、HFCへと移行してきました。国際的な規制を受けて、ODPの高いものから置き換わってきました。
- CFC(特定フロン):R12など。ODPが高く、早い段階で生産が終了しました。
- HCFC(指定フロン):R22など。ODPは低いものの、ゼロではないため段階的に削減されました。
- HFC(代替フロン):R410A、R32など。塩素を含まないためODPはゼロですが、GWPは高いものが多く、次の課題になっています。
現在も稼働している業務用エアコンでとくに注意したいのが、HCFC(R22)を使った機器です。年式の古いパッケージエアコンには、まだ現役で使われているものがあります。
2-2.主な冷媒のODP・GWP一覧
業務用エアコンでよく目にする冷媒を、2つの指標で並べると次のようになります。
| 冷媒 | 種類 | ODP | GWP(目安) | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| R12 | CFC | 1.0程度 | 約10,900 | 旧型の冷凍機など(生産終了) |
| R22 | HCFC | 0.05程度 | 約1,810 | 旧型パッケージエアコン(生産終了) |
| R410A | HFC | 0 | 約2,090 | 2000年代以降の主流 |
| R32 | HFC | 0 | 約675 | 近年の業務用エアコンの主流 |
※GWPはIPCC第4次評価報告書(AR4)の100年値を基準とした代表値です。資料や評価方法によって数値が異なる場合があります。実際の機器仕様は各メーカーの最新資料をご確認ください。
表のとおり、ODPの観点では現行の冷媒はいずれもゼロです。現在の機器選定ではODPが比較材料になる場面は少なくなり、GWPや省エネ性能に加え、冷媒の安全性なども重要な判断材料となっています。
3.古い冷媒の業務用エアコンを使い続けるとどうなるか
ODPの高い冷媒を使った機器は、環境への影響だけでなく、運用面でも扱いにくくなっていきます。R22は国内での生産が終了しておりますが、現在もR22機器を使い続けること自体は禁止されていません。ただし、補充用冷媒は在庫品や再生冷媒などに限られるため、今後は修理・メンテナンス時の冷媒確保が難しくなる可能性があります。冷媒が漏れた際に「補充して様子を見る」という選択肢が取りにくくなる点が、古い機器で見落とされがちな落とし穴です。
部品についても、メーカーの補修用性能部品の保有期間を過ぎると調達が難しくなります。まずは室外機の銘板を見て、冷媒の種類と製造年を控えておくところから始めてみてください。それだけでも、点検や見積りの相談が進めやすくなります。更新後の電気代の目安は電気代シミュレーションで試算でき、条件によっては補助金を利用できる場合もあります。
4.まとめ
冷媒の種類が分からない、更新の時期を相談したいといった場合も、現地の状況にあわせてご提案いたします。業務用エアコンの冷媒や入れ替えでお困りの際は、ぜひお気軽にエアコンセンターACへお問合せください。
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